巡りあるき

うたひながら夜道を帰るからつぽのひだりの胸に風がはいつた

砂漠のロバ

砂漠の町でロバに出会った 私の目に急に涙があふれて 理由もわからないまま涙はあふれつづけた ロバは荷車をひいていた 荷台には主人が座り その後ろにはふくらんだ布袋が積まれていた 黄色い砂を舞いあがらせながら ロバは軽い足どりで 涼しい目をして 私の…

夕暮れ

秋明菊 夕暮れがおもむろに衣装を更える 老いたる樹々の梢の端が 夕暮れのため捧げ持つ衣装を。 眺めたまえ、すると君からいくつもの風光が分かれ拡がる。 一つの風光は空へ昇り、もう一つのは下へ落ちる。 どの眺めにも心の全部をゆだねずにいて、 あの無言…

『寂しさの歌』と『座布団』

劇作家の平田オリザ氏は、ポリタスというサイトの「三つの寂しさと向き合う」という一文の中で、金子光晴の「寂しさの歌」を取り上げながら、私たちが今、踏みとどまって受け入れなければならない“3つの寂しさ”について示唆されています。 金子光晴の「寂し…