巡りあるき

うたひながら夜道を帰るからつぽのひだりの胸に風がはいつた

めぐりあい  

はるばるとあゆみ来ていま須磨駅のホームに立てば目の前は 海

 

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60歳を期に、長い間しまい込んでいたものを一つ二つ開けてみることにした。

浦島太郎よろしく一気に白髪になるか(もうなってるけど)うきうき若返るか…、とにかくこのところいろいろあり過ぎて、いったんはもう“あり得ない事”になってしまった事ばかりだから、ありがたいどころの話じゃあない。

なかでも飛び切り一番奥にしまってあったのが学生時代の師、宮本常一氏。この人の発する強力な引力、これは私にとって大切にしまい込んでおかなければ、普通には暮らしてこられなかった位のものでした。

とは言っても、氏に奥のほうに居ていただいたからこそ何とかやって来られたのかも知れません。日々、子供たちと向き合う現場にあって、あるいは生活の折々に、自分の立ち位置、向かうべき方向に大きな迷いがなかったのは、氏の発する静かな引力が奥のほうで働き続けていたからこそ、とも言えるからです。