巡りあるき

うたひながら夜道を帰るからつぽのひだりの胸に風がはいつた

円空さん

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東京国立博物館で開催されている円空展を観に行きました。

思ったより小さな会場でしたが、見上げるように大きな観音菩薩像や、手のひらに載るような小さな神像まで、さまざまなお姿の木像が並んでいました。拝見していくと、なんとなくこころが解れてゆくようで、自然に微笑が浮かんできます。怖いはずの憤怒像も何だかちっとも怖くない。だって、少し前まで、こんな感じのちょっとごっついおじさん、普通に居た様な気がする…。

無口でごつくて、情が深い。身のこなしは軽く風のようで、とても人のやれそうにないことを軽々とやってのけて、知らんぷり…。

 

出迎へのバスに山人(やまど)が乗り込めば車内にしんと森がひろがる

 

身のこなし話し振りからまなざしからまさに山人は風のやうなり

 

                  山人ーダムに沈んだ新潟県奥三面で狩りや山仕事をしていた方々

十一面観音さんのお顔が素敵だったので、さっとスケッチしてみる。すぐに監視員が近づいて来て「鑑賞されている方のご迷惑にならないように」と怖い顔 ^_^;

 ぷっくり膨らんだ眼窩とほっぺ、に切れ長の目。う~ん何かに似ている。

そう!( ^)o(^ )遮光器土偶。

ひょっとして円空さん、縄文の血が脈々と流れているのかも…。

円空さんは、木を鉈でパカッと割り、出てきた形をそのまま頂いて仏や神の姿にする。木との共同作業かな。割ったままの木目が、流れるようで心地よい。

生えたままの立木に、はしごをかけて彫ったという仁王さんが温かい。少し気合を入れてスケッチし、(2回注意された~(+o+))家に帰って木を描きこんでみた。白っぽい木だったから、樫の木かもしれないと思って照葉樹にしてみました。

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実際、太い樫の古木に、こんな仁王さんが彫ってあって、しかも青々と葉が繁っていたら凄いだろうなあ~