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巡りあるき

うたひながら夜道を帰るからつぽのひだりの胸に風がはいつた

【特別展】[グレートジャーニー~人類の旅~」の運ぶ風 

海岸で砂鉄集めをすることから始めたカヌー作り、その手作りのカヌーが風に乗って運んできたものは何だろう

40年間、かつて人類が辿ったであろう道なき道を、最も素朴な道具(機械は無!)で旅をし続けた関野吉晴氏が<カヌーを手で作り、旅をする>コトにして、私たちに手渡そうとしたモノとは…。

見る人それぞれの、生きた時代や置かれた状況によって、受け取るモノも様々と思いますが、いつの頃からか、<旅から帰るたび>が始まった私にとって、時間と空間を越えて確かに存在する、なつかしい手触りを思い起こさせてくれるものでした。

・ケロ村の吊り橋

f:id:miyasakihiro:20130403143844j:plain三つ編みの橋 f:id:miyasakihiro:20130403143856j:plain吊綱と三つ編みをつなぐ     f:id:miyasakihiro:20130403143942j:plain炭俵のような橋の敷物

身に覚えのある身近な技術!このくらいなら私にもできそう^_^;

 

・舟の丸太材を繋ぐ

f:id:miyasakihiro:20130403152132j:plain f:id:miyasakihiro:20130403152314j:plain

これはちょっと難しそう、結び目が美しい。合掌民家みたい!

 

以前、あるオルタナティブ医療の学習会で、講師としていらした関野氏とお話をする機会がありました。その時「笑顔が宮本常一先生にそっくりですね。」とお話ししたら、「そうですか」とあの笑顔(^^)

関野氏は長い旅の間、御自身医者として現地の人々と関わる中で、どの民族にも何らかの形で、病やけがに対する、伝統的な手当のしかたや向き合いかたがあり、それらに出会う機会が多くあったそうです。

旅の中で学んだ、近代医学とは違う病に対する向きあい方を、その豊かな事例の中から、一部を私たちに紹介してくださいました。視点を変えれば、近代医学こそ彼らにとってのオルタナティブなのでしょう。

・ケロ村のアルパカの毛織物

  f:id:miyasakihiro:20130403144633j:plain f:id:miyasakihiro:20130403144647j:plain

最初、右の方が文様がはっきりしていて良いと思いましたが、よく見ると確かに左の文様の方が緻密に織り込まれている。地と図の両方とも、それぞれ文様になっている!しかも、よくよく見ると昨日(4/13)新聞発表された、山形大学の調査で新発見されたナスカの地上絵と同じ、頭の上に放射状の線?!!

ひょっとしたら…この文様には深い意味が隠されている?のかも。

でも、この文様が織れる人はもう居なくなってしまった。

文様の劣化は、布が観光客等に良く売れたので、大量に織る必要があり、手を抜かざるを得なくなってしまった、しかもその粗悪な織の布も同じように良い値で売れた為、もう誰も緻密な文様を織らなくなってしまったのだという。

かつての緻密な文様に織り込められた、文様の持つ力と、それを支える技術が貨幣の力に取って代わられてしまったのでしょう。残念なことですが、振りかえってみれば、日本のさまざまな伝統的な技術や産業も、同じような道を辿って来たのではないでしょうか。

 

会場に大きく展示してある、関野氏が撮影した写真等を見ると、現地の人たちの人懐っこい笑顔は、現地の人が受け取った、関野氏の在り方そのものを映し出していると言っても良いのではないかと思えてくる。

人なつっこい笑顔と吹き抜ける風。

“あたりまえのこと ”が人と人をつなぎ、人と自然をつないでいた…。

関野氏自身に息づく “あたりまえのこと” が、旅する先々で、その地の人々の “あたりまえ” とひびき合い、共振する….

共振れすることでまた、新たなニュアンスが加わり,風が吹き抜けて…そして…次の出会いを生んでゆく…。

未来は、きっとそのつながりの先に、あると思う。