読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

巡りあるき

うたひながら夜道を帰るからつぽのひだりの胸に風がはいつた

雨の奥会津、囲炉裏の炭火を眺めながら語り部さんの夜話。

 東山温泉、囲炉裏端で夕食をいただきながら語り部さんの話を聞きました。(宿でお願いすると来てくれます。)するする~っとよどみない会津弁で聞く昔話は、文字で読むお話と違い、語り部さんから手渡しされたようで…一味違うな~(^^♪

語り部さんは「今晩は~」と座に加わり、世間話から昔話につなぎ…また世間話にもどり…世間話の中からまた昔話につなぎ…、聞き手とのやり取りも絶妙…。おばさん5人、それぞれに思いを馳せた雨の奥会津夜話でした。

 f:id:miyasakihiro:20130426142530j:plain f:id:miyasakihiro:20130426140518j:plain

 茅葺の湯野上温泉駅の囲炉裏          芦ノ牧温泉駅の駅長さん(=^・^=) ばすデス 

音声の扱いがままならず、長くなりますが、書き起こしでアップします

・・・・ちょっちょっと…会津弁も、違うからな、(会津は会津のね~)そ~そう。この辺だと何々してくな~んしょ、とかな。そしてああだべし・こうだべし・そうばしって、言うだけど、金山の方んなると、あのほら「こっちあがってくな~んしょ、ごっつおうでもあがってくな~んしょ」つんだけど、あの「喰いやれ、飲みやれ。」やれっつうの。語り部も、会津若松行っても、そういう語り部やってらんの、その後頼まれて行ぐべ、そうすっと「今回の語り部さんはとっても聞きやすかった~」って言われんのよ。やっぱね、若松の辺のお年寄りって言うのは、やっぱこういう言葉に慣れてんのな、普段から。「飲みやれ、喰いやれ」なんつったって…とにかくいろんな話、言葉違ったら理解するまで大変なのよ。

そうでなくたって会津弁は、あの~なんつうのかな、そんな、ゆっくりしゃべってるようなつもりでも、他県から来らったんのは、「語り部さん早口ね~」つわれんの。(あ~あ)だから、意味がわかんねえと、やっぱ、そういう風に感じんのかな~と思ったりな。早口だか…わかんねな、会津弁。

・・・・ほれ、…付き合いだから、遊びでほて、来て、わたし語ってあげたらいいかなあと思うんだけど、でも、お邪魔んなるしなあ…。これと(小指を立てる)来たりすっとなあ…(大笑、やばいやばい)いや、だからあの、何回も来らって…。でも私それだけは心得てんですよ。「あれ、こないだどうも…」と言うと、ま、それこそ、どういう人と来たか分かんないから、奥さんなんか「なんだ、どういう人と来たのかな?」と思う、で、初めて会ったような…(^_-)(そう、そこらへんはね~。)ねえ、初めて会ったようなな~感じで…。そいで、この人は何回も会ってっけんど、「あ、わかんね」なんて、「それもそれで失礼」と思うんだけっど…。そんな日はでも、初めて会ったようなあれしてっと、一番間違いねえんだ。(そうですね)そしたらこの間、若いお兄ちゃんが、「今日はこの前と違う彼女連れて来たから、今日はいい」だって。(大笑)なんでそんな、彼女のこの前の子の顔なの忘れてんのに、黙っていたらわがんねのに…^_^;

自分で違うの連れて来たからやっぱ、ほらな、ちょっとあれだったんだべなあ。なーにそんな余計なことこっちしゃべんねのに、そんな、前の恋人だの今の恋人の顔なの覚えて居られねっての。若いから素直だなあと思って…。(アーラ、今日は違う方とおいで?とか?…(笑))まさか、な、そんな事…。こっち知らない…。「あら、そう…」と思って。(でもやっぱり、ここへ連れてきたいんですね。)結構若い人ここあの…「何にも無いから時間がゆったりしていい」って若い人達が来らって…。

まあ、ンじゃ、昔ばなしはどんな話がいいかしら…。あの、聞かったの覚えてないべし?(大笑・拍手)(あ、それ前、聞いたことあるとか…(笑)。やっぱ、始めてのような…気持ちで)そうな、そうな、(笑)

嫁様のほれ、今はそれこそ宇宙に行く時代になっても、この嫁姑の問題っつーのは、ま、永遠のテーマだなあと思ってな。でもこれからは…最近いつも思うんだけどやっぱり知恵や頓智、そういうもんを使って生きる世の中じゃないかなって…。なるべくストレス溜めないように。まーず今、どこさ行ってもストレスたまる時代だよね。だから、ストレスが一番体に悪いそうで…、だからストレス溜めないようにするには知恵や頓智をあの、使えばいいんじゃないかなあと思うのな。

そしたらあの、むかーしむかーしだと…今だかな?何かわかんねけどその、あっただと。そいであの、母さまと息子と暮らしていた家があってな、まあそこの息子に嫁さま貰っただと。いやあそしたらその母さま、一応やっぱりうちの家風とやらをこう…教えねえとなあと思ってな、いちいち、いちいちこうやって教えてはっただって。んだけんどその嫁さまは、ま~ずひと言もいう事な、聞かねえだと。まあ、手抜きなばっかしやってる嫁さまなんだと。だけんど一応、躾は躾だと思ってな、あっときな、その、お膳片づけて流しで洗い物したもんだからな、「嫁、嫁、茶碗洗うときはな、茶碗コーリコーリコーリコーリ音するまで洗ってな、そうして茶碗の糸ズリまでもきれいに洗えよ、茶碗汚えとほら、あたり外家(ほとけ)の人見らった時に、見栄(みば)わりいっすな~」言ったれば、嫁さまの面(つら)ぷくっと膨らんだと。

困ったなあと思ったけんど、まあそこさ又それ、いちいち言ったんでは、あせびん(?)あたり外家から「あそこの姑母さま、嫁いびりしている」なんて言われんの関の山だあ~と思って、かんげえたと「嫁、嫁、おらな、この頃つーーっと耳さきっぱさんだ(挟んだ)だけんどもな、あん茶碗きれ~~いに洗ってな、糸ズリまでもきれ~に洗うっつっと、姑早死にするんだと。だからそこまで洗わんでくりょな~」(笑)と、そう言ったと。

それからしばらく経って、又嫁さまお膳片づけて、流しで洗い物したもんだから、姑母さま物かげからコソッと見たと。そしたら嫁さまタワシ持って茶碗の糸ズリまできれ~いに洗ってたって。それ見て姑母さまはうんうんって、喜んでいたっつう…はなしな。(笑)

だからやっぱりこら、姑さんの知恵ですよこの嫁さんだば言うと膨れんなあ~と思ったらその逆。だって、茶碗綺麗に洗って病気になる者いねえべしだな。返って長生きするんで…。だからやっぱそういう風にやれば、家ん中もまあるくな、行くんじゃねえかな~ってやっぱり…。だから夫婦もどっちも生真面目な夫婦だとうまくいがねえだって、どっちかずっこけている方がいいんだって。(笑)(う~~んねえ)あんまり…どっちもずぼらな夫婦、これも又うまぐ行かねえべ?(そうでしょうねえ…)どっちがあ、どっちが何だしな。ホントそうですよ、お互いにおんなじようなアレだとホント、これも大変だと思う…。んでも今若い人あれで…この間男の人来らったども・・・

この後、何も知らずにいきなり弁護士が来て離婚を迫られた若い社長さんの語った話をつなぐ。・・・・話し合いも何もせずに一方的になあ…でも子供さんが居ないで良かったなあ…今の女の人おっかないなあと思った。

ここが悪いあそこが嫌だという話を何もしないでなあ…それで、一年経つのはやくて…。もう4月のなし、下旬に入って、もう来月節句だわな、五月。そしたらむか~しむか~し、その、娘と母様と暮らしていた家があっただと。そこの娘が機織りが好きで、毎日機部屋さ入って、朝から晩までトントンパタパタ、トントンパタパタ機織りしてったと、そしたら近頃娘の部屋からなんだかしゃべり声が聞こえてきたんだと。・・・・・とつないで蛇婿殿のはなしに入り、糸の付いた針を蛇婿の着物に縫い付けさせて、婿殿の正体を突き止める母親の知恵と菖蒲湯のいわれを語った。語りながら、語り部さんは羽ばたく鶴を折り続け、語り終えた時、パタパタと折鶴を羽ばたかせて見せ、折鶴をプレゼントしてくれた。うれしいパフォーマンス。

私がつい、(蛇婿殿もかわいそうだねえ)と言うと「蛇嫌いか毛虫嫌いかどっちかに別れんだよな。この話は、結局は、あの、人間に譬ええられないので、蛇に、人間を、そういう風に譬えてんですよ。」(あ~そうかあ…)「娘をだまらかしてなんだり、そういうほらねえ、あれだって言ったりね…」(あ、そうか)「そういうのを猿に譬えたり、根性悪い人をほら、猿に譬えたりなんだりってな。」(あの、カッパとかに…)「そうそう…。猿も…やっぱりほらなんつうの、昔は水ってやっぱり田植えしたり水が大事だべ、米作れねえだから…。」

ここからいきなり『そうしたらそこにな…爺様が田植えの水、見に行ったら今度、その水口に、ずんない石が乗っかってて、ほうで田んぼ干からびてんだって。(ずんないって言うのは、大きい?大きい。そしたらその爺様押しても引いてもその石動かねえだって、そしてひとりごと言ってな、「困ったなあ…これ水、田んぼさかけねえと、今年米穫れねえでまんま喰わねぐなっつまう、いやこの石、誰か動かしてくっちゃら、オラ家に娘、三人居んだけっどな、そのうち一人くれるんだけっどな~」なんて独り言いってたと。そーしたら山からヒョイヒョイヒョイヒョイ猿が出て来てな・・・』と三つ目の話が始まる。

聞き手の言葉から次の話にするりとつなぎ、末娘が家の困難を知恵で乗り切った話が始まった。三話目は、猿と末娘の会話の掛け合いが生き生きと語られ、ぐんぐん引き込まれたる。ラスト、臼を背負わされて川に流された猿が、騙されたとも知らず『~餅背負い流さるる身はよかれどものこる娘はなんとなるらん~なんて猿、言うげなの、そんなの、あっかんべーってあって、娘さっさと家さ帰ってな・・・』でめでたしめでたし。

そして、「猿はかわいそうだなって思ったの最初に、だけどそれがほら、その水の権利でも何でもいじってる人よ。「なにかよこさねと、この水を分けてやんねど」とかって、そういう人なの。それを猿に譬えてやってっから…そうなんです」と続ける。「だからその、人のあれでは言えないので、その、猿に譬えたり、キツネに譬えたり、そういう所…昔話ってのは出来たんです。」(なるほど~敵わないそれをね~それこそ頓智というか、知恵ですね~)「知恵ですよ。だって昔ってその、何の権利でもみんなほら、こうやって牛耳っててほらな、何かあれしねえとやんね、とかって、そういう…。だから水でもたぶん、あの何かあれしないと、水わけてやんねとかって…おそらくそういうあれだったのな…たぶん。」・・・・・

・・この後、動く折鶴の折りかたを教わってお開き。

f:id:miyasakihiro:20130426142422j:plain f:id:miyasakihiro:20130426164737j:plain

 

  鷽喰ひてとびとびにしろき山桜咲くをたのしむ奥会津雨

 

   ボックスを離れてひとり眠りゐる友よ放射線治療を癒せ