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巡りあるき

うたひながら夜道を帰るからつぽのひだりの胸に風がはいつた

ダヤの居場所

家猫のダヤンの領分寝る場所と水とトイレとキャットフードと

目覚めればひしびしと胸にさみしさがひろがるダヤン…おまえがゐない

 

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去年の7月、

未明にダヤは長椅子の奥で冷たく硬くなった

口をあけて両手をひろげていた

苦しかったのかな

真夜中、大きな鳴き声を聞いて飛んで行った

ダヤは薄目で小さな息で、ときどき口をあけて…苦しそうだった

 

「向うへ行って」と言われたような気がして

布団にもぐったけど、襖は細く明けておいた

でもおまえは、襖と反対の方を向いて冷たくなっていた

見られるの嫌だったのかな

 

ちくりと残った痛み

あんなに嫌がっていた病院に二回も連れて行ってしまった

「もう、これで行かないからね」と二回も嘘をついた。

一回目は付き合ってくれた。

でも二回目は裏切られたと思ったのだろう。家に帰って呻るように鳴いた

ごめん、私が弱かった

おまえがまだ元気そうで、まだしばらくがんばれそうで

少しでも過ごしやすいようにと痛み止めを頼った

余計な事だった…

 

おまえが自分でやったように、お風呂場で体を冷やしながら

脱水症状になって意識が亡くなった方が楽だったかもね、ごめん

二日前から何も食べないし、一日前から水も飲まなくなっていたから、

あまり長くないかもしれないと思ったけど

おまえの先輩猫は食べなくなって一週間も生きたから、

おまえもそのくらい頑張るかも…(ってほしい)と思ってしまった

 

それが間違いだった。ダヤはダヤ、先輩は先輩、

あなたは心臓の腫瘍と闘っていたんだもの…

私の弱さがあなたにはむごい事をしてしまった。

いっつも我慢するのはあなただね、ごめんね、ほんとうにごめん

誰にも見つからず、静かにお風呂場に居られたらよかったのに

余計な事をしてしまった。

 

あなたは最後まで生きようとしていた。

お風呂場に行ったのも、死ぬためじゃない

少しでも居心地良いところに行ったんだ

 

何時もそうだったもの、ダヤは居心地の良いところを探す名人だもの

あの朝も、長椅子の下で、少し動こうとしたんだ。

そしてそのまま向こうに行ってしまった

むこうは心臓いらないものね、息もしなくていいもの

 

おまえは写真の中に入っちゃって、もう呼んでもこっちに来ない

そこ、気に入った?

骨壺の中はまるいからあんたには居心地いいかもしれないね

そこはいつもおまえが眠っていたソファの上だよ

 

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洗濯をしても食事の用意をしていても

いつも足もとに蹲っていたおまえが居ない

私が体調を崩すと、そばにずっといてくれたっけ…

階段や庭や公園で本気の狩りごっこもしたなあ…

もう押入れを開けても、そこに潜んでいるはずのおまえが居ない

からっぽ

 

でも、ダヤは楽になったんだよね…骨になっちゃったけど

居場所がちょっと変わっただけ

 

しんどかった体を抜け出て楽になったので

家中、公園中、飛び回って

こっちにいる間は絶対やらなかった、よそ猫をシャーって威嚇してみたり

猫パンチ食らわしたりしているのかもね

 

・・・・・

 

今、家にちびの野良が来たよ お前の後輩 

そのうち私もそちらに行くから、その時はまた会えるね

 

 

 

 

 

 

 

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