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巡りあるき

うたひながら夜道を帰るからつぽのひだりの胸に風がはいつた

呼倫貝爾(ホロンバイル)草原の朝

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 天の川 昴 きっぱりと白い月 (ああ昴)

 北斗七星のなんと大地にちかいこと! 

 モンゴルの星は地上に近い 天はまさに足元まできている

 

 4:00になったが誰も来ない

 誰かを探すか あの丘にのぼるか…

 あの丘にのぼる。 時間はもうない。

 ケイタイの光で足元を照らしながら丘にむかう

 少しばかりの恐怖…が徐々に…ときめきに変わる

 

 丘の天辺には大きな石積みがあり ぐるりを縄と旗が囲む

 (大切な場所なのだろうか…)

 遠く蒼白く蛇行する川…らしきもの

 寒い!

 

 この圧倒的な視界

 視線をとどめ、居場所を教えるなにものもない

 360度すべて草原

 パースペクティブが通用しない

 消失点がどこにもない

 

 拡散する意識

 

 

 ゆっくりとまわりながら居場所を探す

 ここはどこだろう…

 

 大地を踏む感覚と頬を打つ風が 意識をつれもどす

 

 石積みから…樺の木の香り…

 

 

 

 

 このとらえどころのない どこまでも《むこう》に拡がる草原にあって

 吹き抜ける風の音はかすかな《ここ》をおしえてくれているようだ

 

 丘の東側は ゆったりと川が流れていて

 ここはその川のある谷に突き出た小高い丘なのだ

 

 

 

 

  東の空はずいぶん明るくなって

 (うす紅色に染まる川)

 光は浅い角度を保ちながら 草原を撫でるように拡がってゆく

 その先にいまだ揺蕩っている 藍色の世界…

 (わかりやすいなあ)

 

 視界を遮る樹木に覆われていないことの あっけらかんとした 朗らかさ


「こういうもんなんです」ということ

 

 手の内はない。

 なんにもない

 いやまてよ、そんなことより

 今、自分は本当に《ここ》にいるのか?

 

 ここはどこなのだろう…(光る川)

 

 

 

 

 ああ…もう朝がきている。東の空がとくべつ明るい

 朝はいきなりくる…(という訳ではない)

 数えきれないたくさんの予兆と前触れを放ちながら

 日は昇り 今日がはじまる。

 

 バケンクーソの朝はしずかにさりげなく 朗らかに明ける

 

 太陽は まさしくめでたき この世の光 そして熱

 暗闇から全ての色が立ち上がり よみがえる

 

 

 

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