巡りあるき

うたひながら夜道を帰るからつぽのひだりの胸に風がはいつた

旧暦如月17夜の沖縄

沖縄に行ってきました。那覇空港はじわっと汗ばむ暑さ!

コートを脱ぎ、レッグウォ-マーを脱ぎ、カーディガンを脱いでもまだ暑い!

アレコレあって、結局15:00近くの那覇到着になってしまったので、お目当てのひめゆり祈念資料館は翌日じっくり訪れることにして、タクシーでサキタリ洞遺跡に向かう。タクシーの運転手さんは「サキタリ遺跡?聞いたことあるけど…」と自信なさそう(ーー;)しきりにケータイで同僚に聞いている。ようやく「玉泉洞の近くで、玉泉洞と繋がっているらしい、沖縄ワールドも近いよ、エイサーとかやってて面白いよ、行かないの?」

でも…サキタリ洞遺跡でいいんです!

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ちょうど一か月前、新聞に<沖縄南部サキタリ洞遺跡で約2万年前の旧石器時代の貝製道具(貝器)が国内で初めて見つかった>というニュースが載った。同時に人骨も出土し、骨と道具がそろった国内最古の例となるそうだ。同じ八重瀬町の港川フィッシャー遺跡では、国内唯一の全身骨格が揃った1万8千年前の「港川人」が見つかっている。                   *フィッシャー→石灰岩層の裂け目(裂罅)

  f:id:miyasakihiro:20140318153059j:plain手前はゲットウ

タクシーを降りてまず、植生の違いに驚く。当たり前のことなのだが、観葉植物として室内で大切に育てられているクワズイモやポトスなどが自然に生えてる!桑も普通に生えてる。この桑の木は落葉しないのかな~常緑の桑の木??

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発掘はまだ進行中で、ビニールシートで保護されていました。高い天井にびっしり鍾乳石、奥には開口部があって風が通り抜け、ひんやりして心地よい。ここなら暮らしやすいかもしれないな…

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でも、ここもあの沖縄戦の時、たくさんの人たちがじっと身をひそめ、なすすべを取り上げられていた場所なのかもしれない。

1万8千年もの間、雄樋川のほとりで生き継ぎ、次の世代、その次の世代へと生れ変わってきたいのち…。そのひとつながりの<いのち>をじっと見守ってきたサキタリ洞は、その時の<いのち>達が目の前で逃げ惑うのを、どんな思いで感じ取っていたのだろう…。

 

サキタリ洞の磐座には、時間(いのち)が何層にも重なってひびき合っている…。ここに立つ私の、自分のなかに積み重なった時間…は、それを感じとり、共振れすることができるだろうか…

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運転手さんのお勧めで、近くにあるという平和の礎平和祈念公園に向う。沖縄戦で亡くなった方々の個人名が記されていた。「同じ姓が並んでいるのは、家族ごと一族ごとすべて亡くなったということです。」と運転手さんが教えてくれました。

  f:id:miyasakihiro:20140318232631j:plain 旧暦如月17夜の月