巡りあるき

うたひながら夜道を帰るからつぽのひだりの胸に風がはいつた

菊芋の絵を描きました(^^♪

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菊芋はキク科ヒマワリ属、草丈は2メートル近くになることもある、とても野性的な花です。種と根茎で増え、とっても丈夫。

この花の咲く鮮烈な記憶があります。

学生時代、卒業を控えて一人旅をしました。

木曽の妻籠から高山そして白川郷から富山、金沢へ抜ける一週間ほどの旅でした。

旅の途中、岐阜県白川郷の加須良という集落でこの花に出会いました。

その時、加須良集落(廃村になりました)は泊めていただいた民宿一軒を残し、ほとんどの方が村を去っていました。あの立派な合掌造りの合掌が崩れ、屋根がぺちゃんこに潰れてしまっている家が何軒もありました。

その中の一軒の家に、この菊芋が崩れた合掌に覆いかぶさるように咲いていました。家の前の水路には、雪解け水がどうどうと溢れるように流れ続け、菊芋の上は真っ青な空が静かでした。

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菊芋は根茎が食用になり、自宅の庭の隅にも、ほぼ野生化して生い茂っていたのでありふれた花でした。それでも、あの時の真っ青な空と、揺れる菊芋の花、そして水の音が…今でも鮮明に蘇ります。

 

旅から帰って、いつもの生活文化研究会で宮本常一先生に「アルバイトをして行ったのか?」と聞かれ、「お年玉を貯めて行った」と答えたら、先生やみんなに大笑いされてしまいました。

私にとってかけがえのない、大切な一場面です。