巡りあるき

うたひながら夜道を帰るからつぽのひだりの胸に風がはいつた

できるはず

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風ふけば風のあぜみち雨ふれば雨のあぜみち畦道にゐる

 

オオバコはどこへ行ったのだらう砂利道で埃をかぶってゐたのに

 

わたくしがゐなくなつてもこの庭に蛇苺あかくなつてゐる実

 

いままさに暮れてゆくそら茜色 できるはず だから耀いてゐた

 

暮れ残る空のあかるさあたしたちもうすぐみんなゐなくなる

 

木がそこにあつたまあるい陽だまりにハンモックがね、しかけてあつた

 

焦らない、あなたと同じ場所に立つ。そこにゐること手を触れぬこと

                    

                          ひろ

 

 

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