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巡りあるき

うたひながら夜道を帰るからつぽのひだりの胸に風がはいつた

治癒するちから

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初めての入院生活以来、ずっと気になっていることがあります。

それは《治癒する力》。

少し長く入院していると、患者さんたちが入れ替わり立ち代わり入院しては退院してゆきます。目に見える限り、皆さん自分で治っています。もちろん医師は診察し、診断して手術、投薬、様々な処置等の手を注意深くかけてくださっています。でも、その医師たちの手を借りながらも、治しているのは患者自身の体なんです。

「時間と自分の体が自分の体を治している!」と、そうとしか思えませんでした。

 

手術後、心身のケアをするために通った帯津三敬病院の帯津良一医師は、ある事例を示して《自然治癒力》の不思議な力を教えてくださいました。氏は医学部に入って一番最初に受けた「創傷治癒学」の授業でそれを知った時、本当に感動したのだそうです。

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傷ついた皮膚を、表皮細胞が自ら倒れ、自ら移動することで真皮細胞をとりあえずカバーする。細胞たちは誰に言われるでもなく粛々と自ら治っていく。細胞がなぜこのような働きをするのか、不思議で仕方なかったそうです。その後の研究で、マクロファージやグロースファクター等々の存在が明らかにされつつも、なぜ細胞たちがおもむろにそれを始めるのか、その不思議は未だ解明されていないそうです。

 話は飛びますが…

民俗学者宮本常一氏は「敗戦後の傷ついた日本を立ち直らせたのは、取り立てて声を上げるでもなく、粛々と持てる力を掘り起し、精一杯生きることを生き抜いて来た民衆、その一人一人の小さな力である。」と口癖のように学生たちに話していました。

 

“人はさみしい” がすべての事をときめかせ、

“さみしい自然” が人の手のあたたかさを教えてくれる。

 

生きてゆくことのかなしみ、あるいは《あはれ》の中に、治癒する力が恥ずかしそうに隠れているかもしれませんね~

私の巡りあるきがスタートしました。

うたいながら…

 

 

 

 

 

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