巡りあるき

うたひながら夜道を帰るからつぽのひだりの胸に風がはいつた

秩父修験の道

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 梅雨の晴れ間、木漏れ日が心地よい

友人に誘われて、秩父を歩きはじめてからもう20年くらいになりますが、先日初めて、健脚の仲間と羊山公園~札所26番円融寺奥の院・岩井堂~27番大渕寺のコースを歩きました。

秩父盆地南側の山地を尾根伝いに東から西へ辿ります。大渕寺より西は、秩父鉄道終点白久駅・札所30番法雲寺、さらに雲取山そして甲府へ。

般若心経も太極拳もスルーのハイキングでしたが、今までと違った秩父の一面を見ることが出来ました。

途中、磐座と言ってもおかしくない見事な岩に何度も出会い、改めて、そういえば、観音院も岩之上堂も竜石寺も法雲寺もあそこも、あそこも…見事な岩と湧水があったな~。歩きながら何度も「熊野みたい!」とつぶやいていた事を思い返しました。

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 「山の神」近くの磐

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 尾根道のピークに祀られている祠

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 思わず手を合わせて拝した塚?

後から入って来たものに場を譲り、片隅の見えにくいところに、それでも大切に祀られているものがある…。

武甲山に祀られていたという社が、石灰岩採掘で入山禁止となった為に、武甲山のよく見える尾根に移され祀られていました。その社の近くの東屋でお弁当を食べながら、ふとある事を思いだしていました。

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 うつされた大山祇神社

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 大山祇神社の和尚さん

それは、秩父地方の生業やくらしのありようを数々の映像記録に収めた民族文化映像研究所姫田忠義さんが「埼玉の木地師」上映後のフリートークで話されていた

秩父は、両神山武甲山をむすぶちょっとずれた東西の位置関係が曲者です。荒川につながる谷筋では、東西に走る川筋の日当りの良い斜面に注目してほしい。それと多様な金属資源」というお話し…。

ある地域の暮らしを見ていく始めの一歩とも、丹念に歩き、学び続けたあとのエッセンスとも受け取れるお話ですが、「その土地に着いたら先ず、全体を見通せる高きところに登りて見よ、そして、できる限りその土地の食べ物を食べてみよ」という姫田氏の師、宮本常一さんの言葉が思い出されます。

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 「箪笥岩」まさに磐座。常緑樹を頂いている。左の鉄階段を昇る。

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 箪笥岩の上の修験堂。このお堂の外の廊下を一周りしては一回、十二支車を回して修行するそうです。

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 象頭山大権現

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 円融寺奥の院・岩井堂。磐座がリアル!斎場御嶽尾鷲天狗倉山と同じ気配が漂う

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 岩庇の内部、天狗倉山の岩屋堂のようです^^;

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今回あるいたコースは盆地の南側、時々開ける視界の先に、初夏の陽を浴びて輝く盆地北側の斜面を望むことが出来ます。荒川にかかる秩父公園橋の先、緩やかな丘陵の中腹に、あの音楽寺がよく見えました。

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 大渕寺のお地蔵さん。 

 秩父路のお地蔵さんは、どこもかなり傷んできていて、このお地蔵さんもお顔をセメントで補修されてい ました。修理された後、面影が全く違ってしまってがっかり…が多いですが、このお地蔵さんは、直した方の気持ちが伝わってくるようでかわいい(^^)

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 大好きな大渕寺のお不動さん。祠に祀られているので元気です!

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 大渕寺の出口に丸石二つ?!

 

秩父をアースダイバーしたら、どんな姿が浮かび上がるだろう…。